AmlethMachina's Headoverheels
ゴシック・ノワールを標榜するAmlethMachinaによる音楽を中心にした備忘録。
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理系高3の数学力、30年前よりアップ!でも母集団は・・・
「理系高3の数学力、30年前よりアップ(*1)」という見出しを見て「お、おもしろいじゃん!」なんて思って東京理科大数学教育研究所のHPを覗いてみた。そして「理数系高校生のための数学基礎学力調査」中間報告(*2)の記述を確認したら、母集団は「2003-04年度の東京理科大学への入学者が5名以上の高校580校の中から任意に100校を選び」とある。

あれ?

なぜ理系学生に限定するのかとか「数Ⅲ」なんかを履修するような学生を対象にして数学力を分析しようとするのか・・とツッコミどころはあるのだが、そもそもこれって母集団の選定を間違っていないかい?
学力偏差値(難易度)58前後の東京理科大学へ合格できる学生をコンスタントに輩出している高校群からの任意抽出なのだ。上位に偏ったサンプル群からの抽出になっているということだ。成績がいい方向に出るのは当たり前だ。それとも、東京理科大学へ合格できる学生が理系学生の代表的母集団として妥当だと主張されるのだろうか?(*3)

おまけに、この評価は30年間コンスタントに実施されていた統計に基づくものではなく、対象としている30年前の母集団がどのようなものであったのか明確でない。つまり評価の妥当性を検証できるデータもないのだ。

このデータの意味するものは善意に解釈しても「東京理科大学に合格できる学生の数学力の水準が30年前よりも上がっている。または同等である。」という意味にすぎない。もしかしたら「東京理科大学に合格できる学生の数学力の水準は30年前の一般的な理系学生の平均よりも高い。」というだけのことかもしれない。つまり、このデータを以って、「一般的な理系学生の数学力の水準が30年前の学生よりも上がっている」と断言することはできない。

仮に「理系高3の数学力、30年前よりアップ」という解釈を100%真に受けたとしても、経済協力開発機構(OECD)の国際学習到達度調査(06年実施)の結果との乖離が説明できない。もし、有効な説明があるとしたら上位と下位の学生の数学力の格差が甚だしいということだ。まるで「ゆとり世代の学生のほうが学力が高い」という結論に誘導しかねない論調は問題である。(*4)

つまり、「最近の学生の方が学力が高い」という結論を導き出すために恣意的なデータを出したと言われてもしかたあるまい。要は、作為性を疑われる母集団の選定は「ゆとり教育が失敗であったことを認めたくない方々」の意向が強く働いているように見えるということなのだ。

(*1)
理系高3の数学力、30年前よりアップ

1月29日3時16分配信 読売新聞

 子どもの理数離れが懸念されているなか、理系高校生の数学力はおよそ30年前よりも上がっていることが、東京理科大学数学教育研究所が1万人を対象に行った学力調査で判明した。

 理科大への進学者が多い高校580校から任意に選び、調査協力を呼びかけた。2005年から3年間実施し、31都道府県からのべ146校が参加。「数学3」と「数学C」を履修している高校3年生に問題を出した。

 問題のうち約30問を国際教育到達度評価学会(IEA)が理系高校生に行った1980年度の国際数学教育調査(SIMS)と同一の問題にし、比較した。その結果、今回調査のほうが成績が上だった問題が全体の66・3%もあり、同程度が21・7%だった。80年度より成績が下回った問題は11・9%にとどまった。同研究所の澤田利夫所長は「理系の生徒の学力は長期的にみて低下していないことが証明できた」と話している。

 ただ、3年間の成績を比較すると、平均正答率は徐々に下がり、特に、図形など記述式で証明を求める問題の成績低下が著しかった。

 昨年12月に発表された経済協力開発機構(OECD)の国際学習到達度調査(06年実施)の結果では、日本の15歳の「数学的応用力」が03年の6位から10位に転落。文部科学省が来年度からの新学習指導要領で理数系の強化対策を打ち出していた。

(*2)
最新の2年分の資料は見当たらなかった。しかし、対象とされる3年間の母集団の選定基準は著しく異なることはないと判断されるので当該の資料から引用した。仮に異なることがあれば、ここ3年間のデータの信憑性も疑わざるをえない。

(*3)
大学進学率の変化により学力偏差値が30年前と現在では単純比較できない。要は学力の分布も異なるということだ。これに対し30年前の母集団と成績が同等であると推定される母集団を選定するといった補正を行っている可能性も検討した。しかし、そのような補正を行った場合、同じような学力の母集団を恣意的に選ぶことであるため学力差は出にくくなる。理系学生全般の学力比較を目的とするなら、そもそもそのような補正は不要である。

(*4)
OECDの調査は学生全般が対象で、今回の調査が一部の理系学生に対象を絞った調査であると強調するのであれば、なおさらこのデータが「数学力が30年前より上がっているものではない」と結論するのが正解だと思うのだが・・・。

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与党は小学生よりも我慢することができないのか?
日曜日の夜、TVをつけてみたらHした弁護士が大阪府知事選に圧勝したニュースをやっていて、あの郵政民営化選挙の悪夢が頭をよぎってゲンナリしてしまった。

おまけに、月曜日から暫定税率廃止の議論の中で「つなぎ法案」などというとんでもないものを政府与党が議員立法で提出しようとしているとのこと。現在の自公連立政権は衆議院の2/3以上の議席数を議会制民主主義における無敵コマンドと勘違いしているようにしか思えん。

大体、国会答弁において主張される暫定税率の必要性は、どれも首尾一貫した政策に基づくものではない。世界的に見ても国別での内需拡大政策の必要性が求められているのに、景気対策として有効だと考えられる方向性とは真逆の選択をしようとする。そして「問題は全て米国経済にあり」として無為無策状態。何が景気対策になり何が障害になるのかをまともに分析もしないで単に手をこまねいているだけの政府に政権担当能力はないと言わざるをえない。

それにしても政府は暫定税率を撤廃すると「このくらい減収となります」という試算をして見せているが、「減収になるのは当たり前だ」。言われンでもわかっていることだ。そもそも国民は政府に自由に使っていいお小遣いを好きなだけあげているわけではない。なければないなりに欲しいモノを我慢する、ちゃんと節約するという小学生でもやっていることをやってくれと言っているだけなのだ。もし、お小遣いをアップして欲しいのなら、小遣い帳を見せてなぜ足りないのかを説明してくれと言いたいのだ。(*1)それもできないのに「小遣いをアップしてくれ」と言ってもお母さん銀行は財布の紐を緩めんぞ!

*

腹立つ話題ばかりなのもナニなので、ちと個人的なヒットの話。

フレンチ・ニューウェーヴのコンピアルバム「Sang neuf en 89」をレコファンで100円で発見。
レ・ネグレス・ヴェルトやマノ・ネグラが収録されておったので速攻でゲット。ほとんど20年前のアルバムなので、自分で調べられる範囲ではどのバンドが存続しているのかもよーわからん状態である。

しかし、収録音源はグーである。ちょっとアングラな感じだったり、ワールドミュージックっぽいアプローチがなされていて聴いていてなんだかワクワクしてしまう曲ばかりである。こんな曲がラジオから流れてきたら無茶苦茶うれしい。おまけに参加アーティストのメンバー写真だと思われる、ジャケ裏の写真もお洒落で「これがフレンチ・パンクなのだ」と言われたら、思わず軍門に下ってしまいそうなかっちょよさ。先日、紹介した「ハードコア・トルバドール」とともに大好きなアルバムである。

(*1)
 村野瀬様のエントリ「増税分の行方を忘れてはいけない。」で紹介されているコギトエルゴスム様の定率減税撤廃の行方についてのコメントが秀逸!
確かにこのような観点での議論がされない増税論議は片手落ちだと思います。
霊感商法国家、日本?
福田氏は国会答弁で「ガソリン税の暫定税率の維持は温暖化対応の観点からも必要だ」とのたまったそうなのだが(*1)、言うに事欠いて「地球温暖化まで持ち出すか?」・・・である。

だいたい、暫定税率は道路特定財源として他用途への利用を拒否している財源なのに、これを環境税と同列に扱うというのはヘンである。道路特定財源としている時点で自動車社会を温存することであり、脱炭素社会志向とは完全に逆行した政策である。なのに、なぜその政策が温暖化対策に貢献すると言えるのだ?もし、温暖化対策という観点であれば逆に積極的に自動車社会からの脱却として代替エネルギーの開発、輸送システム、社会インフラの見直し等の道路建設以外の財源として使用すべきである。
また、「ガソリン消費抑制になる」と言っている点。56億七千万歩譲って、仮にこれが事実だとしてもその抑制効果による減収を見込んだ予算案となるべきだ。しかし、実際には従来と同じ税収を見込んでいるようにしか見えないのもおかしい。政府予算案から判断すると、そもそも抑制効果は見込んでいないということではないか?実際には現行税率が温存されるだけなのだから消費抑制のための心理的効果は全くないと考える。

なんで、こんな支離滅裂な答弁がまかり通るのだ?

・国際貢献
・テロとの戦い
・地球温暖化
・財政危機
・国の借金
・年金制度の崩壊
・学力低下
・近隣諸国の軍事的脅威

などなど・・・。今の政権政党の態度や政策は、「誰もが情緒的に反論しにくい危機感を煽ってぶち高いお布施をふんだくり効果もわからない形ばかりの儀式を執り行う。そして効果がなければお布施が足りないのだ、努力が足りないのだと言ってさらにお布施を要求する」・・・そんな霊感商法の姿がダブってしまうのだ。というよりも客観的なデータに基づかない政策を行い、その結果を評価できるデータをろくに公開もしない。自分の言ったことだけ信じろとする態度はまさに霊感商法そのものかもしれない。

*

ちなみに暫定税率については景気対策のために期限切れとともに即刻廃止すべきではないかと考えている。今後の原油価格の高騰による輸送費への影響、物価への波及効果を考えるのなら景気対策のオプションとして有効ではないか?

どーでもいいが、最近の自民党がほざく論理を聞いているとそのうちに「消費税を贅沢品にかけると景気後退に繋がる。消費税を安定的な税源として維持するためには、税率を上げても必ず消費される生活必需品にこそ高税率を課すべきだ」なんてトンデモなことを言い出すんじゃないかと思えてしかたない。

(*1)
代表質問 暫定税率「消費抑制に必要」…福田首相
1月22日10時22分配信 毎日新聞

 福田康夫首相は21日、衆院本会議の代表質問で、揮発油税などの暫定税率存廃問題に関し、「欧州の主要国がガソリンの税金を引き上げる中で、暫定税率廃止は国際的な理解を得がたい。税率維持は温暖化対応の観点からも必要だ」と述べた。地球温暖化につながるガソリンの消費を抑制するためにも税率維持が必要との考えを示したものだ。民主党の古川元久氏の質問に答えた。

 民主党の鳩山由紀夫氏は、与党が新テロ対策特別措置法を衆院の3分の2以上の多数で再可決したことに触れ「再議決を行うのではなく、衆院を解散し、総選挙を行って再度民意を問うべきだ」と衆院解散を迫った。

 首相は「(解散の)時期については、国民生活に悪い影響を与えることのないよう留意する必要がある」と指摘。「今は解散をうんぬんするよりも、一つ一つの政策について各党と議論し、国民のために最善の結論を得るよう努力していくことが肝要だ」と述べ、早期の衆院解散に否定的な考えを改めて示した。

 また、首相は年金制度改革など社会保障全般を議論するため自らが主導して今月発足させる「社会保障国民会議」への参加を野党各党に呼びかけた。年金記録漏れ問題への対応については「予定通り順次実施する」と繰り返すにとどめた。

 22日は参院で▽輿石東氏(民主)▽尾辻秀久氏(自民)が、衆院で▽太田昭宏氏(公明)▽志位和夫氏(共産)▽重野安正氏(社民)がそれぞれ質問する。【葛西大博】

地球温暖化という言葉を口にされるとつい身構えてしまうのだ
最近、再生紙の配合比率偽装問題が製紙業界全体に波及するという報道があったりする。こーゆーことがあると、地球温暖化とかエコというタームだけが一人歩きしている現状に胡散臭さを感じているだけに、ぜ~ってえ環境利権なんかがあるだろうとつい穿ってしまうのだ。

とりあえずはいい機会なので、自分の地球温暖化への見解を整理する。

地球温暖化は本当か?

いきなりだけど、地球温暖化と言われる現象が論理的に検証されている事実なのかまず疑問視している。というのも北極の氷が溶けている。その他内陸部での氷床が溶けているという事実は歴然と存在している。しかし、南極の外縁が後退している一方中央部の気温は下がっているというデータが一方であったりする。でもってここ20年くらいの観測で気温が上がっているというけれど、それって本来の気候変動の範囲なのか、それとも人類の産業活動による影響なのかはやはりまだ仮説の域を出ていないと考える。

ただし、産業活動の影響とする仮定は予防措置的な観点からは合理だし、仮に地球温暖化というマクロな環境負荷はなかったとしてもローカルな環境負荷を小さくするという意思決定をするという意味で有効であると言える。

地球温暖化はCO2のせい?

よく言われる地球温暖化は温室効果ガスによるメカニズムで説明される。そしてCO2がいつも槍玉に挙げられる。しかし、温室効果ガスとしての影響のほとんどは水蒸気だったりする。そして、残りがCO2やらメタンやらだったりするのだが、産業活動によるCO2の排出量が自然界に存在するCO2の3%とか言われている。そうすると、一般的に流布しているイメージよりはCO2のみの影響は小さい。その一方で地球温暖化のメカニズムの一つとして太陽黒点の変化と気温変動に相関関係があることから太陽風の影響による雲の発生の変化(*1)がアルベドを変動させているという説もある。
つまり温室効果ガス説をとったとしてもCO2だけが問題とされるのは適切ではないし、太陽黒点の影響説をとったとしたらなおさらのことである。気温の変化と大気中のCO2量の変化も相関関係が認められるということであり因果関係を完全に説明できているわけではないことも注意が必要である。気温の上昇により大気中のCO2が増加するという説もある。

よくTVで2100年までに気温が上昇し・・・というシミュレーションを映像化されるとついCO2の排出はいけないという結論にとびつきたくなる。しかし、注意が必要なのはあれはCO2の影響によるモデルでシミュレートされたものだから、当然あのような結論が導き出されるということである。人類の産業活動による温暖化という事実があるのかも十分検証できていないのだから、数ある仮説の一つと見るのが妥当である。

ではCO2はバンバン排出しても問題ないのかと言えば、そんなことはない。なぜなら排出量は化石燃料を使用した環境負荷の指標の一つとして有効だと考えるからだ。しかしCO2のみに着目して環境負荷を議論するのは、木を見て森を見ずということである。唯一つの要因だけで判断するの危険である。

地球温暖化への対策として原子力は有効か?

以前、拙エントリでもとり上げたが、欺瞞である。
ただし、当該エントリで熱排出が地球温暖化に直結するように書いたのは認識誤り。太陽によるエネルギーの総量が大きすぎてマクロ規模での影響は無視できる。しかし温熱排水による建設地沿岸の水温上昇などのローカルな環境への影響はあるため、環境負荷という観点では無視するべきではない。なので論旨自体は変えるつもりはない。

認識誤りがあったので、反省して「もしかしたら原子力は有効なんじゃないか」という観点で色々確認してみた。そしたら、次のことが言えた。
日本国内で広報される原子力の発電コストは揚水発電(*2)のコストを水力発電のコストに計上しており、実際に原発を運用する上で必要なコストとなっていない。また、事故発生時のコストや廃棄物処理のコストも無視されている。そのため他の発電よりもコストが安いというのはウソである。
原子炉単体では確かにCO2は排出しない。しかし、発電に必要な真水やらその他のリソースを得るために化石燃料を使用するため、原子炉を運用するシステム全体では逆に火力発電よりもCO2を排出する結果になる。だから原子炉を導入することが脱炭素社会への一歩だというのはウソである。

う~む。全然いいとこ、ないじゃん。調べない方がよかったかもしれん

以上、整理してみた。

CO2の削減目標を設定するのは決して悪いことじゃない。省エネや環境に配慮することは問題ないし、代替エネルギーを模索することもちっとも悪いことじゃない。
ただ、地球温暖化もそのメカニズムも、本当のとこはまだよくわからんというのが真実だろう。問題はCO2が諸悪の根源でCO2排出量のみが一人歩きしていることなのだ。

最近もトヨタが家庭で充電できる電気自動車をエコカーとして発表したが、確かに単体ではCO2は排出しないかもしれん。しかし、その電気はどこから手に入れているのだ?結局のとこ、火力発電や原発に頼る限り、CO2はどこかで排出されるわけだ。おまけに蓄電しモーターを動かすプロセスでのエネルギー損失を考えると、電気自動車の軽量ボディやらに燃費のいいガソリンエンジンを搭載した方が実は社会全体でのCO2排出量は少ないかもしれん。

またバイオマス燃料についても同様だ

要は一つの要素のみをクローズアップすることで、本質的な議論を遠ざけているのだ。多分、環境負荷について真正面から取り組むことは輸送のためのインフラを含め社会のありようまで見直す必要があるのだろう。そういった事実から目をそらせ、「とりあえず努力してますという気分」を満たすための道具としてCO2排出量という言葉が機能しているような気がしてならない。また、地球温暖化というグローバルな問題設定が国際規模での環境利権も発生させているんじゃないだろうかとさえ思えるのだ。

だから地球温暖化という言葉を口にされるとつい身構えてしまうのだ。


(*1)霧箱の原理で大気中を通過する宇宙線が雲を発生させるのだと説明されている。
(*2)原発の夜間の余剰電力で水をくみ上げて水力発電させる施設。原発は小回りが効かないのだ。
祈りと魔女の叫び
「日常医療に於いて、救急医療体制の欠如はたなに上げ、一番辛い敬意に満ちた環境、むかつくような憐れみと、生きようと努力してもムダだと、はなから彼らの葬式を期待して患者にウソまでついて説得する環境、常に試され、取材され、隔離され、じわじわと拷問され、死または大量殺戮のことのみ考えさせられている環境の中で戦っている人々。」ヴォイス・パフォーマー、ディアマンダ・ギャラスによるHIVポジティブ、AIDS患者の定義である。

あえてシンガーとは呼ぶまい。グランド・オペラで通用するトレーニングを受けてきた経験をフルに駆使し、「精神分裂症を芸術形式に変えてしまった」と言われる純粋表現として彼女は叫び、歌う。独逸表現主義オペラのシュライ(叫び)と呼ばれるパフォーマンス形式の影響下にあるということなのだが、そんな予備知識は不要だ。彼女は正気と狂気の間を自由に行き来し巫女と聖女、魔女の役割を演じていく。そして、語義矛盾のようだが、その表現はアヴァンギャルドという定形すら軽々と飛び越えていく。

86年、兄のフィリップ・ギャラスがAIDSが原因の併発症で亡くなっている。その頃に連作「赤死病の仮面」として「The Devine Punishment」「Saint of the Pit」をリリースする。(第三部もあるのだが、こちらは未聴)葬送と最後の審判をテーマにしたものであるがリリース当時の彼女は「人々が死について否定的とかみなす以前の観念を見据えている。そして、過去でも未来でも幻想でもない、本当の現実を、真実の恐怖を歌っている」と言う。彼女の表現の核には、常に社会の偏見に満ちた差別意識、無知による恐怖との対峙があるのだが、それは単に言語の領域だけではない。彼女の表現形式自体でさえ蒙昧な音楽的形式主義と衝突する。彼女の音源を聴くことは、音楽を聴く行為にすらマスメディアによるバイアスがかかっており、どれだけの差別意識や無知がはびこっているのかを思い知らされることでもある。

以上、つらつら書き連ねてきた訳だが、音源について簡単に触れておきたい。
一番、好きなのは最初に聴いた連作「赤死病の仮面」として作成された「The Devine Punishment」と「Saint of the Pit」のコンピレーション盤。当時のライブパフォーマンスを収録した「PlagueMass」もあるがコンピ盤の方がまとまりがいい。
どうしても怖いのは嫌だというムキには、本人のピアノ弾き語りによるカバーアルバム「The Singer」が楽曲としての骨格を留めているのでとっつき易いかもしれない。といってもマリリン・マンソンより怖い「I put a spell on you」が収録されているが・・・。
コンパクトにまとまった「Vena Cava」,暗黒度数高めの「SchreiX」、ピアノ弾き語りのライブ盤「Preyer and marediction」と色々あって薦めるのにも迷うのだが・・・。
やはり一押しは元ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズとの共作「Sporting Life」。ロック的ダイナミズムと骨格がわかり易いし、ギャラスの魔女の狂乱声が楽しめるので、初めてでも大丈夫。ぜひ、聴いてみていただきたい。

冒頭のギャラスによるAIDS患者の定義。あれは特別な誰かについての物語ではない。無知と差別、偏見、誤情報の生み出した虚構が取り巻く我々の現状なのだ。

*

どーでもいいけど、ギャラスの音源を聞かせた水はどんな結晶を形作るのだろう?

要は議論を放棄するということなのですね?
衆院本会議で3分の2以上の多数で再可決し「無料ガソリンスタンド法案」っつーか「米軍兵站法案」、「米軍軍事行動協力法案」が成立する勢いである。(*1)しかし、参議院で否決しようが何しようが衆議院の議席数にモノを言わせて、可決してしまうのって二院制の意味がないんじゃないかい?

自分は憲法59条の規定って衆議院での可決した内容に参議院が問題ありと否決した法案に対し、指摘された問題点について議論を尽くした上で適用されるものだと理解している。しかし参議院で否決された当日中に衆議院で可決するのは、どう考えても議論を尽くしたとは言えない。つまり、議論を尽くすといった正常な国会運営を放棄したものであり、二院制の機能をあからさまに否定することである。

このようなことを国民が容認するということは、「”ねじれ国会”という国会運営上、特異な状況を作りうる二院制は廃止すべきである」という論理が罷り通るということである。(つい半年前までは「参議院は衆議院のカーボンコピーだから不要」という論理が罷り通っていたのに!)

この問題は単に「日本が平和国家としての体裁をかなぐり捨て米国の軍事行動に追従するだけの奴隷国家である」というだけではない。国会を運営している連中も、そいつらを選んでしまった国民も、実は民主主義も自国の憲法の趣旨も全く理解せずに玩んでいるということだ。

毎度毎度同じことを言うしかないのだが、まともに国会が機能するように状況を改善するためには、来る衆院選では自民党に下野してもらわないといけないということである。電子投票なぞが導入されて、取り返しのつかないことになる前に。

(*1)
<新テロ法案>衆院再可決で成立へ 2月中旬活動再開目指す
1月10日21時18分配信 毎日新聞


参院外交防衛委で新テロ対策特措法案に賛成し、起立する与党委員(手前)。民主党(奥)など野党の反対多数で否決された=国会内で2008年1月10日午後4時22分、佐々木順一撮影
 インド洋における海上自衛隊の給油活動を再開するための新テロ対策特別措置法案は10日、参院外交防衛委員会で、民主、共産、社民3党の反対多数で否決された。民主党が提出した対案も自民、公明、共産、社民4党の反対多数で否決された。新テロ法案は11日午前の参院本会議でも否決されるが、与党は同日午後の衆院本会議で3分の2以上の多数で再可決し成立させる。石破茂防衛相は同日中に活動再開の準備を指示。政府は来週の閣議決定を経て、2月中旬の活動再開を目指す。

 10日行われた同委員会の締めくくり質疑で、福田康夫首相は「給油活動が続かないのは政治情勢のためだとなれば諸外国の日本を見る目は変わる。断固としてやらなければならない」と強調。同法案は1年間の時限立法のため、政府が制定を検討している自衛隊海外派遣の恒久法についても「将来的に大事だ。今後、与党で協議し、民主党と協議する機会があれば進めたい」と語った。自民党の山本一太氏への答弁。

 民主党は新テロ法案について「政府は過去6年間の給油活動についての説明責任を果たしていない」と反対を表明。共産、社民両党は新テロ法案を「憲法違反であり、廃案にすべきだ」などと指摘し、民主党の対案も「自衛隊の武器使用を拡大する」と反対した。

 新テロ法案の成立が確実になったことで、政府は活動再開の準備を急いでいる。

 来週の閣議では基本方針や派遣部隊の規模・構成・期間などを定めた実施計画を決定。石破防衛相は首相の承認を得て、具体的な実施区域や緊急時の対応などを盛り込んだ実施要項を定め、海自部隊に派遣命令を出す。

 燃料を満載した補給艦1隻と護衛艦1隻は今月中にインド洋に向けて出港、約3週間で活動区域に到着し、3カ月半ぶりに活動を再開する。米海軍第5艦隊司令部(バーレーン)にも改めて連絡官2人を派遣する。

 一方、外務省はインド洋でテロ掃討作戦の海上阻止活動に参加する米英仏など6カ国と交換公文を締結する。【田所柳子、葛西大博】


ガンダムJAっすか?
これって、防衛省のガンダム計画よりもいいかも・・・。

<ロボットスーツ>農作業を手助け 東京農工大が試作品公開
1月9日19時47分配信 毎日新聞

 しゃがんだり、重い作物を抱えたりとつらい農作業を手助けする「農業用ロボットスーツ」を東京農工大大学院の遠山茂樹教授(ロボット工学)のグループが開発し、9日公開した。実際に畑などでテストを繰り返し、2年後に実用化し、4年後には製品化して売り出したいという。

 樹脂製の骨格に、ひざ、ひじ、腰、肩の動きを補助する八つのモーターを配置し、ベルトで体に装着する。例えば大根を引き抜く場合、ひざ、腰に瞬間的に20キロの力がかかるが、半分程度の力で済むという。動作を助けるプログラムを作業内容ごとに変えることも可能。独自開発した超音波モーターを使えば、本体重量も8キロ程度に軽量化できるという。

 コストは1セット50万~100万円を目指し、製品化の段階で大量生産できれば20万円程度に低下すると見込んでいる。

 耕作や田植えなど機械化が進む一方で、青果の収穫や果樹の剪定(せんてい)、作物の運搬など人力に頼る農作業は多い。遠山教授は「農家の高齢化が進む中、負担を軽くする技術を開発したかった」と話す。センサーや無線を付ければ、使用者の体調をチェックでき、離れた場所同士で会話しながら作業する「ハイテク農業」も可能になる。

 デモンストレーションでは、スーツを装着した大学院生が20キロの米袋を抱えたが、「持っている感覚はほとんどない」と笑顔で話した。【金田健】

スタグフレーション突入か?
今朝(1/7)、出勤前に特ダネを見ていたら「スタグフレーション突入か?」という話題を取り上げていた。
なんかコメントを寄せる経済学者やらがイチイチ楽観的で今年末までには回復に向かうだろうという旨がほとんどであった。
おまけに「世界全体では経済は拡大傾向にあるので世界に目を向けるべきだ」という新自由主義者が泣いて喜びそうなコメントまで言っておったのも印象的である。

ホントか?

今までデフレ傾向と言われていたが、実は潜在的なスタグフレーション状態だったんじゃないかと考えている。
円安誘導で輸入品目は高いまま、輸出製品は安価となり国際競争力的には有利な状態。でもって原材料費が上がった分規制緩和による非正規社員などの低賃金労働者によって国内での低価格が支えられる。結果として国内での消費は冷え込み景気は悪化するが輸出企業は収支が改善される。単に輸出企業が日本国内の中小企業を経済的に搾取してきただけではないか。確かに見かけ上はデフレかもしれない。しかし、これは市場原理で上がるべき価格を低賃金労働者に皺寄せするために国が介入した結果であり粉飾された状況でしかない。だから急激な原油価格の高騰などの要因により本来の状態が炙り出されたのだろう。

企業全体の99%が中小企業で占められている現実からすると国内消費の改善を主眼におくべきであろう。しかし一部の大手輸出企業主導、経団連向けの政策ばかりで、国内景気を上げる政策が全く提示されていない現状では状況が改善される要因は全くないと考える。それとも「サービス残業法案」やら「不当でも契約を優先する法案」等で徹底的な労働力の搾取を断行するつもりなのだろうか?

新年早々、頭が痛い話題で申し訳ありません。

ちなみにスタグフレーションについては「35歳企業研究者の戦場日誌」の関連エントリが面白かったです。「バブルの後遺症が実はこれからなんじゃないか」という指摘は「中村正三郎のホットコーナー」でいつも指摘されている「理系搾取の構図」と同様に人的資源を軽視している日本の状況なんじゃないかと思います。
「中村正三郎のホットコーナー」でも取り上げられている薬害エイズ問題で政府や高級官僚には専門知識がないため刑事責任を問うことができないという構図は、そもそも政治家や官僚には責任能力がないということです。つまり、我々が血税で喰わせる価値は全くない連中であることを司法が認めているということでもありますね。



「ミッキーマウス保護法」関連のネタで雑談日記様がエントリを立ち上げています。フェアユースとのバランスを著しく欠く「著作権保護期間の延長」は利用者のみならず、創作者にとってもメリットがないものです。一度、自分なりの考えをまとめたいと思いつつも手付かずになっている内容なので、備忘のため紹介だけでも・・・。


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