AmlethMachina's Headoverheels
ゴシック・ノワールを標榜するAmlethMachinaによる音楽を中心にした備忘録。
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不必要なことはしないという選択肢
日本の黒歴史、通産省のΣの二の舞となる運命必定の無駄遣いプロジェクト「住基ネット」に対する住民訴訟が退けられるといった胸糞悪いニュースもあるが、少しでも機嫌よくなれるよう音楽ネタをぶってみたい。

ジョー・サトリアーニというギタリストを知っておられるだろうか?

ハードロック、フュージョンなインストウルメンタルを中心にリリースしている馬鹿テクギタリスト。「テクニカルギターの神様」みたいなスティーブ・ヴァイの師匠のあの人だ。(*1)(*2)日本のギターメーカー「アイバニーズ(星野楽器)」のエンドーサーとしても有名である。(*3)

そのサトリアーニによる「スーパーギターテクニック免許皆伝」(リットーミュージック)とゆー教則本がある。海外の「guitar Player」かなんかの連載コラムをまとめた奴の翻訳だ。薄さとお手軽感がしきいを低くしておっていい感じだ。

テクニカル系ギタリストらしくスケールワークやメカニカルなシーケンスフレーズ、ギミック的なテクニックなんかも紹介されている。その一方でコードワークやリズムワーク、ボイシング等の地味だけどかっちょいいギターワークを構成する上でなくてはならない要素やものの考え方にまで目配りが効いている。行間からサトリアーニのギター哲学が垣間見えて面白いのだ。(*4)

で、ギミック中のギミックというかシミヘンをオリジネイターとする急降下爆撃音なトレモロアームのテクニックにも当然のことながら言及する。(*5)(*6)この項でも色々トレモロアームの効果的な使い方が幾つも紹介されるのだが、こんな印象的な例で締めくくられる。

トレモロアームを取り外してギターケースに片付けること。

そう、必要ないところには使わないことが最大の効果を上げるということだ。世の中には不必要なことはしないという選択肢があるのだ。


(*1)一時期、ミック・ジャガーのソロに参加し、ライブのサポート・ミュージシャンとしても同行したこともあるが「巧いギタリストはストーンズ・ナンバーを弾くな」とか散々な評価もされたらしい。キース・リチャードのミカウパーを真似て5弦セットのテレキャスで頑張ろうとしたところ、ミック・ジャガーから「自分のスタイルでやってくれ」と言われたにも関わらず。
以降も、ディープ・パープル再結成ツアーにリッチー・ブラックモアの開けた穴のサポートで参加。「リッチーは参加してません」なんて告知を出されたりして、う~む、日本ではちと不遇なのだろうか?深夜のスポーツニュースではよく聴くような気がするのだが。
ハードロックとフュージョン・インストウルメンタルのバランスがかっちょいい2nd「Surfing With the Alien」が個人的にはお気に入り。ついでに言えば、ブートレグで聴いた当時のナンバーを中心にしたライブは無茶苦茶かっこよく、面子も素ん晴らしかったので3ピースのアンサンブルであることが信じられない出来であった。

(*2)お互いギターを始めて間もないキッズ時代のことだというので、そんな深刻な師弟関係でもなかったらしい。ヴァイのインタビューによると当時からライトハンド・タッピングのアイデアをお互い暖めてており、後年のタッピングの小品でそのアイデアを活かしたとかゆー話もある。ヴァン・ヘイレンの「イラプション」のオープニングシーケンスのショックが世間を席巻している頃「あ、あのアイデアね」とか言っておったらしい。近くにいたらヤなガキどもである。

(*3)アイバニーズは80年代後期以降、ヴァイとのコラボレーション「JEM」「RG」シリーズによって馬鹿テクギタリスト御用達メーカーとゆー位置付けが一般的かもしれん。90年代初頭「Universe」シリーズのリリースにより7弦ギターをマーケットに定着させた功績もある。(世界最初かについては議論が分かれるところであるが商品化という点においてはアイバニーズの業績は否定されるべきでは
ない。)7弦ギターは当初ヴァイのイメージもあり馬鹿テクギタリストしか使えないという評価もあったがKORNやらリンプなんかの出現によってヘビー・グルービングなボトムを支えるスタンダードになったと言える。もちろん低音域の拡張だけではなく高音域の拡張というセットも可能なので、興味のあるムキは試してみるのも面白い。その場合、パッシブよりアクティブ・ピックアップのセットを選んだ方がよいのではと考えているのだが。ちなみに7弦部があるため弦落ちを心配しないで6弦のビブラードがかけられるという拙ブログ購入品評価部による独自の評価もある。付け加えるなら、1弦増えたことによる違和感は少なく意外と普通に使えるデバイスだ。どーでもいいがレゾンキャストという木材繊維を樹脂で固めた素材を使用したレトロなスタイルがかっちょいい「TALMAN」シリーズ(おまけにケン・アームストロングのリップスティック・ピックアップを使っているのだよ)が一時期リリースされてて、無茶苦茶こいつが欲しかったというのは個人的な感想である。(スパークリング・シルバーのビグズビー・アームがセットされてた2ハムの方もかっちょいいっす!)

(*4)テクニカルギタリストと言えばイングウェイ・マルムスティーンが出て以降、雨後の筍のようにハーモニック・マイナー・スケールのシーケンス・フレーズを馬鹿の一つ覚えのように弾きまくる連中が出てきたのだが(別にクリス・インペリテリが馬鹿だとは・・・あわわ)、そーゆー連中の青田刈り専門のシュラプネルなんつーレーベルもあったりする。中にはシュラプネルのシグネイチャー・フレーズを弾きまくってデビュー。ブルース・フィール溢れるスタイルを完成させたリッチー・コッツェンやらポップミュージックスタイルに発展させたポール・ギルバートみたいなのもいたが・・・。(お、どちらもMr.BIG在籍経験ありだ!)
前述のスティーブ・ヴァイはザッパ門下生の由緒正しき変態ギタリスト道を極めた逸材である。スティーブ・ヴァイのかっこよく取り澄ました姿はギターパク・ビデオ「エイリアン・ラブ・シークレット」でもおがむことができる。しかし、しかっし!敬愛すべき変態道まっしぐらなうつけものとしてのヴァイは、やはり映画「クロスロード」で悪魔に魂を売った馬鹿テクブルースギタリスト、ジャック・バトラー役を嬉々として怪演するその姿にこそあると断じる!ついでに言えば、ザッパ閥はマイク・ケネリーとゆー落ち着きの無い過剰変態ポップなギタリストも輩出しておる。ザッパ門下生の中ではマイク・ケネリーが資質的に一番ザッパっぽいのではないやろか?
一時期、ヴァイがその正体なんじゃないかと憶測されたバケットヘッドも好きなギタリストである。ジャイアント・ロボを偏愛し、白塗りのマスクとケンタッキーのパーティーバレルのバケットを頭に被った異様な風体もさることながら、何がなんだかわからない超高速フレーズの中に、繰り出されるジャイアント・ロボのテーマはアホくさくてすんげえ好きだ!ビル・ラズウェルのプロジェクト「プラクシス」での参加作も面白いが、やはり、ソロ1stの「バケットヘッド・ランド」がいい。
テクニカルついでに・・・。
マイケル・ジャクソンの「BAD」ツアーのツアー・ギタリスト、ジェニファー・バトウンがライドハンド・タッピングをピアノ的なアプローチで極限まで押し進めていて面白い。タッピングではジャズ方面のスタンリー・ジョーダンあたりが2本のギターを使っていたりとかヘビメタなマイケル・アンジェロが左右にネックの突き出したダブルネックを駆使したりするが、自分はジェニファー・バトウンのファンキーなグルーブ感のあるロック・ギターとタッピングの組合せが好きっす。1stのM1「熊蜂の飛行」で超高速タッピングを聴かせるが、あまりにあまりなんで何がすごいんだかよくわからないところが板野ミサイル・コルドバ90°回頭・アンノ巨神兵大爆発である。

(*5)ここでは音程変化の急激なシンクロナイズド・トレモロに派生した一連のトレモロユニットを指している。ビグズビーとかダイナミックトレモロなんかのようなマイルドな効きのものは対象からちと外れる。ベンディング・テクニックによる音程変化では実音から高い音程しか出せないのだがトレモロユニットの使用により実音より低い音程も出せるのだ。ビグズビーなんかはアームを押し下げる使い方で設計されているため、逆に実音より低い音程しか出せない。ビグズビーを装着したフルアコを駆使するデュアン・エディはアームを押し下げた状態でピッキングしてからリリースすることでシンクロナイズド・トレモロのアームアップのような効果を得ていたりする。
ちなみにエディ・ヴァン・ヘイレンはES-335の音が好きなのにも関わらず、ルックスがロックでない。シンクロナイズド・トレモロが搭載されてないという理由でストラトのジャンクパーツとES-335のピックアップからコンポーネント・ギターの元祖みたいなシングル・ハムのあのストラトをでっち上げたとゆーのはギター小僧の間では有名な話である。また、車用の塗料でペインティングしてグラフィック・フィニッシュの元祖でもあったりする。おまけに、未確認情報ではあるがピックアップを自分でワイアリングし直したという噂もある。アンプのトランスをいじくって電圧変えて欲しいディストーションを得ようとしたくらいだからやりかねん。う~む、恐るべしヲタク魂である。

(*6)急降下爆撃音や、オーバードライブ、ディストーションをかけてハーモニックス鳴らした状態でのアームアップなんかはヴァン・ヘイレン以降、ハードロック、ヘビメタ系の定番なので「あ~あの音ね」と誰もが聴いたことのあるギミックだ。また、ワウと組み合わせて人のお喋りを真似してみたり。変態的な使い方としてはアームをグルグル回してアップ・ダウンさせたりとかアームダウンした弦がヘロヘロの状態でタッピングして壊れたシーケンサーみたいな音を出したり、左手でトリルをしながらアームをアップ・ダウンして譜面上の音程は変化させないが不安定なフガフガした音をやってみたりとか、まあ所謂飛び道具だ。確かレオ・フェンダーはおとなしくビブラードをかけることを意図して設計したはずだが、開発者の手から飛び出して勝手に発展した例であるわな。
変態なテクニックといえば日本のぢんもがあまりに素晴らしすぎるので機会があれば聴くことをお薦めする。一押しは1stの「アルス・ノヴァ・ジンモニア」である。あと、「デザイン・フェスタ」で観たチャップマン・スティックを駆使するパフォーマンスが圧倒的だったので「KIJO」もいいかもしれん。(E.BOWとディストーションの組合せでアンプをフンガーっと唸らせるところなんか凄まじ過ぎて笑いが止まらん。)ついでにいえばシンコーミュージックからリリースされたぢんもの教則ビデオ「超絶変態ギターテクニック四十八手」(いや、もっと格調高いタイトルだったかもしれん)も笑えて好きだ。


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コメント
この記事へのコメント
初めまして
眠り猫さんとこを経由して来ました。
サトちゃんはデビュー時から聴いててアルバム大体持ってるし来日公演も何度も行ってます。
「私は天才じゃないから毎日8時間は練習しないとダメなんだよ」という名言は時々思い出してます。天才だからそこまでやれるんだろうと思うけど。ちなみにフリップ翁は11時間練習してた時期があるらしい。紙一重だ。

こういう話題を描き始めると切りがないので以下自粛。では。
2008/03/07(金) 23:54:37 | URL | 千年虫 #7tx8cIQU[ 編集]
千年虫様、はじめまして
千年虫様は「カナダde日本語」などのコメント欄でお見かけしております。ちなみに年頭の「カナダde日本語」でのコメントは色々な点で考えさせられるものでした。よろしくお願いします。

日本のチーズケーキを愛するフリップ翁もなかなかアレですが、レコーディングに気合を入れるために断食するヴァイもかなりキテますね。

以下自粛。
2008/03/08(土) 00:22:53 | URL | AmlethMachina #-[ 編集]
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