AmlethMachina's Headoverheels
ゴシック・ノワールを標榜するAmlethMachinaによる音楽を中心にした備忘録。
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ビーナスの運命
HIMの最新作「ビーナス・ドゥーム」を聴く。

以前、ベスト版「アンド・ラブ・セイド・ノー」を聴いた。ゴシック感覚がほのかに漂う浪漫チックなメロディラインとヘビーなリフ。そしてダニエル・アッシュやロバート・スミスみたいなディレイバリバリ、エフェクティブなサウンドテクスチャを間奏部に織り込んだ楽曲は決して悪くはなかった。なによりボーカリストのヴィレ・ヴァロのルックスがいい。しかし、自分にとってHIMはヘビーメタルやフォーク、ゴシックの折衷主義的な産物だった。だから、ヘビーローテーション状態になることはなく、気にはなるけどビミョーなバンドとしてしばらくほっとかれることになったのだ。

さて、新作はマイ・ブラッディ・バレンタインの「ラブレス」(*1)、メタリカの「メタル・マスター」を合わせたようなアルバムになる。そういう話が流れた時、実は頭の中は???だった。大体、どちらも轟音とは言え前者はコクトーズ直系の天上的な音、後者はスラッシュメタルのマッシブで身体的な音。一体、どんな音になるんだ?と悩んでしまった。

ベスト盤聴いてイマイチだと思ったくせに近所のレコファンで発見した時、早速購入。で、実際に聴いてみたら、事前の噂のとおりハードになっておる。おまけに緩急自在の楽曲の練り込み具合もいい。でも「マイブラはどこに行ったの?」・・・というのが第一印象である。もしかしたらSE的に挿入されたサウンドコラージュ的な部分がヴァロのマイブラ解釈なのかもしれんが。

自称「ラブ・メタル」なHIMは、そのサウンドをゴシック・ハードロックとか紹介されていたのだが、正直ピンとこなかった。ゴシック感覚至上主義的に言えばゴシック・メタル・バンドのエレンドあたりのクラシック、声楽的な楽曲への志向や、パラダイス・ロストの有無を言わさぬデス声の方が生理的にわかり易かったのだ。なによりベスト盤聴いた時点では自分の方で勝手に想像していた音との落差を自分の中で消化できなかったのだ。
上手い言い方が見つからないのだが、あちらこちらのHIM紹介記事に冠されるゴシックというキーワードから勝手に天上的、審美主義、象徴主義的なイメージを期待していた自分が悪いのだ。HIMってどちらかと言えば浪漫主義的なダイナミズムとドラマトウルギーを内在したバンドなのだ。そう認識した上で、このアルバムを聴くと隅々にまで目が行き届いた音作りといい、がっちり構築された楽曲といい文句なしの傑作といっていいかもしれん。


(*1)轟音フィードバックノイズに、粘る液体のようなとろりとした甘美なメロディが官能的な傑作アルバム。ちなみにマイブラはコクトーツインズが開発した「リヴァーブ深めのノイズギターに天使的な女性ボーカルをのっける」というコンセプトをアヴァンギャルドな方向にブーストして独自のサウンドを完成したバンドといっていいと思う。ちなみにマイブラ以降、コクトーズ、マイブラ的な音を量産可能な音としてクリエーションレーベルが完成させシューゲイザー、テムズバレー一派が雨後の筍のように大量発生したのは’90年代初頭のことである。
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