AmlethMachina's Headoverheels
ゴシック・ノワールを標榜するAmlethMachinaによる音楽を中心にした備忘録。
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天才数学者たちが挑んだ最大の難問
フェルマーの定理を知っておられるだろうか?

3 以上の自然数 n について、x~n + y~n = ~n となる 0 でない自然数 (x, y, z) の組み合わせがない、というアレである。
フェルマーが残して以来、360年あまりの間、一般的な証明を求めて無数の数学者が挑戦を続けた定理である。堀晃の短編ハードSFでも異星知性とのファーストコンタクト・ネタに使われたアレである。

先日、ふとフェルマーの最終定理の証明方法ってどんなものだったのだろうと思い、アミール・D・アクゼルの「天才数学者たちが挑んだ最大の難問―フェルマーの最終定理が解けるまで」吉永良正訳(早川書房)を手にしたのだった。

いや~、実にこれが面白い。本書は証明方法の詳細にはほとんど立ち入らない。しかし、フェルマーの問題の起源であるピタゴラスのあたりからオイラー、ガウス、ガロア、クンマーの理想数を経て近代的アプローチとしての楕円関数の導入、谷山・志村予想、フライ・セール予想へと発展し、最終的にアンドリュー・ワイルズによる最終的な証明へと数学史を俯瞰する形で語られており、どのようなプロセスを経て最終的な証明に至ったのかがわかるのだ。

正直言って近代的アプローチの楕円関数のモジュラー形式やらフライ曲線と言われても漠としたイメージしかわかない。しかし、クライマックスに向けて論理的な証明手段とアプローチ、予想が次々整備されていく様は当事者でないにも関わらずワクワクしてしまうのだ。
(ちょっと悪役なヴェイユくんとセールくんなんてキャラクターも出てくるけれど・・・)

どのようにしてフェルマーの最終的証明に至ったのかを見てみると、確かにワイルズの天才も必要だったのかもしれない。しかし、その影で無数の才能ある数学者が残した業績なくしては、その栄光を得ることは不可能であったことは容易にうかがえる。このことは、あらゆる分野で言えることなのだと思う。新理論やら未知の領域で偉大な功績を残すということは単に思いつきでできるということではない。過去の他人の業績に敬意の念を払い、他人の意見に耳を傾け、本当にくだらね~と思えることを積み重ね、そして第三者の検証をもって初めて成立するものなのだ。

そういった意味で一つの偉大な業績がいかなるプロセスで得られたのかを知るいいテキストだと思う。


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2008/11/12(水) 00:16:09 | | #[ 編集]
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