AmlethMachina's Headoverheels
ゴシック・ノワールを標榜するAmlethMachinaによる音楽を中心にした備忘録。
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味覚のお話
1日あいてしまったが、「レミーのおいしいレストラン」についてである。

ピクサー製作なので安心して観れるのは予想できていたので、「いつ観てもいいや」とほったらかしにしておったので先月のリリースを機にようやく観たわけだ。

過去に観た「トイ・ストーリー1、2」(*1)、「モンスターズ・インク」(*2)、「ファインディング・ニモ」(*3)、「インクレディブルズ」(*4)とどの作品にしてもキャラクター造形や脚本の練り込み具合がすんばらしく、おまけにヲタクノリな作りこみ加減もゼツミョーで「しょせんファミリー向けやろ」という捻くれた観客でも絶賛するしかないのだ。

さて本作、料理の才能のあるネズミのレミーがボンクラのリングイニと協力しながら一流シェフとなる夢をかなえていく話なのだが、たまたま嗅覚をテーマにした「パフューム」を観た直後だっただけに、同様の生理的感覚である味覚をどのように表現するんだろうと思っていた。というのも「パフューム」では臭いを嗅いだ人の心象風景を割りと安易に使用しているので、後半ではその手法のありがたみがなくなっていたのだ。「パフューム」で違和感を感じたのは、このあたりのクリシェに頼りすぎている部分だったんじゃないかと思っている。

本作では、あちらこちらのシーンで出来上がった料理を美味しそうに視覚化している。ところが、味わった人が幸福になる心象風景を描くシーンは実はクライマックスの1シーンだけなのだ。だからこそ、そのクリシェがこの物語のキーとなるキャラクターの何をどう変えたのかを表現する上でものすごーく効果的に機能しとるのだ。ちなみに本作を制作する上でアニメーターに料理教室を受けさせたという話を聞いたが、それもさもありなん・・・というくらい調理のプロセスの再現も自然な感じに練れていていいっす。

また、ほとんどレミーの木偶人形状態だったリングイニくんも当然の葛藤をきちんと克服していくプロセスも描かれていて好感度高いっす。強いて難点を挙げれば後半の展開が若干ぎくしゃくしてるかなという点。そして、ネズミがうじゃうじゃ登場するので生理的に嫌な人ももちろんいるかもしれん。しかし、自分にはほとんど問題ではないっす。

ちょうど、家族でフリマに参加した時の売り上げで買った「塩キャラメルのモンブランショコラ」がものすごく美味しかったので、気分はアントン・イーゴだったりしたりする。

(*1)第一作でのバズの嫌味な感じとか糞ガキ、シドの「うん、うん、わかる、そのノリ」とかゆーキャラクター造形と反発していたウッディとバズが協力していく展開の巧さ。第二作における「玩具と子供の成長の関係」をサブテーマに設定した着眼点の確かさと炸裂するヲタクノリのブレンド具合。しかも、これらの要素が無理なく一般的な観客に訴求したのは驚きでもあった。ちなみに「ウッディのラウンドプレイス」は通俗的なカントリーウェスタンな人形劇のイメージで本編というのがあれば観てみたいと思う。

(*2)子供の悲鳴がモンスターの世界のエネルギーだったり、モンスターにとっては子供の方が危険な存在という設定が面白い。さることながら、「どこでもドア」状態のこちらの世界とあちらの世界を繋ぐドアの設定がクライマックスの演出では思いつく限りのアイデアてんこ盛りで、物語の基本設定はこう使うのだというお手本を見せられたような気がする。

(*3)ニモは先天的に片側の鰭が小さかったり、ドリーは長時間の記憶ができない記憶障害だったりでさりげなくマイノリティへの目配りが利いていて「親父の子離れ」をメインに展開される脚本もグーである。タンク・ギャングの連中も好きだが食い意地の張ったカモメ軍団も捨てがたい。

(*4)ウォッチマン的なヒーロー監視プログラムなんてヲタなネタから、冴えない保険屋に身をやつしたスーパーヒーローが家族とともに自分の居場所を見つけるとゆーファミリー向けなストーリーに展開してしまうのがすごい。また冒頭に登場するインクレディブル・モービルがアントン・フィーストがデザインしたバット・モービルみたくヲタク魂をビシバシ刺激してしまうのだ。実はマックのハッピーセットについていたこのミニチュアが欲しかった・・・。この監督は傑作の評価の高い「アイアンジャイアント」(未見です)も撮っておる。
なお、邦題については「インクレディブル一家」が「ミスター・インクレディブル」ではニュアンスが違うと思うのだがどうだろうか?「America's Sweet Hart」が「アメリカン・スイートハート」だったり「Big Fat Greek Wedding」が「ビッグ・ファット・ウェディング」だったりするのも含めて、一見原題をカタカナにしただけ風の邦題って、下手に日本語タイトルつけるより性質が悪い気がする。
ちなみに、この映画のために「ファンタスティック4」はSFXシーンを作り直すはめになったというのは有名な話であるが、「ファンタスティック4」が「トムとジェリー」の製作で有名なハンナ&バーバラプロでTVアニメ化されており「宇宙忍者ゴームズ」というタイトルで日本でも放映されていたことを指摘する人があまりに少なすぎる!やはり、「ファンタスティック4」ではなく「宇宙忍者ゴームズ」という邦題で公開するのがスジであろうし、当時のあまりなノリの吹き替えも再現して欲しかったというのは自分だけではないはずだ!ついでに言わせてもらえれば「スクービイ・ドウー」も「弱虫クルッパー」の邦題で昔の日本語TV版主題歌をピチカートファイブにやらせて公開した方がよかったと思うのだが。

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ディズニーのアニメであるが、お子様向きと侮ることなかれ。実に示唆にとんだ作品だ。話は、天才的な料理の才能を持つドブネズミのレミーが、料理が苦手な見習いシェフと協力して、パリ一番のレストランを作るというサクセス物語である。  そういえば、先月、レストラ...
2007/12/07(金) 20:33:42) | 本ナビ!by Tamecom,味覚のお話
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