AmlethMachina's Headoverheels
ゴシック・ノワールを標榜するAmlethMachinaによる音楽を中心にした備忘録。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
デス・カルトについて
デス・カルトの話をしようと思う。

某国を死に導く狂信者集団「日本会議」のことではない。勿論、オウムのことでもない。
ポジティブ・パンクを出自とするサザン・デス・カルトが米国でブレイクしたハードロックバンドのザ・カルトに変貌する前の過渡期的なバンド,デス・カルトのことである。単に名前が短くなっているだけじゃん・・・とツッコムあなた、ある意味それは正しすぎる。

ポジティブ・パンクというのはゴシック・ロックと呼ばれるジャンルの中でもオリジネイターであるバウハウス,ジョイ・ディヴィジョンの持っていた美意識やら知性、アート志向をキッパリ放棄し、ポストパンクの内包した暴力性、反社会性、反宗教的な部分を過剰に戯画化して黒尽くめ、白塗りひび割れなホラー映画さながらのビジュアルを積極的に纏った連中である。フツーの知性を持っていたらセックス・ギャング・チルドレン、サザン・デス・カルト、エイリアン・セックス・フィエンドなんてバンド名はぜってえつけないであろう。
80年代のフューチュラマ・フェスに参加したバンドをNMEが一絡げにポジティブ・パンクと総称したところが始まりと言う。前述したような連中のどこがポジティブなのかは理解に苦しむところである。おまけに縮めてポジパンと言ってみると恥ずかしい感と頭悪そ感が一気にブーストするので発語してみることをお薦めする。

ポジパン御三家のセックス・ギャング・チルドレン、サザン・デス・カルト、ダンス・ソサイティを代表格にエイリアン・セックス・フィエンドやらスペシメンと言えば、ゴスの本家本元バウハウスのメンバーやバースデイ・パーティーのニック・ケイブあたりから毛虫のように嫌われており、インタビューなんかでも「ゴスとひとくくりにしてあんなのと一緒にするな」とかクソミソに言われている存在である。実際、これらのバンドをゴスコンピで何度聴いてみてもピンとこなかったのは自分のセンスの問題ではなく、やはり単につまらなかっただけなのだと思う。

上記の理由からゴスを標榜しているにも関わらずポジパンと括られているバンドを聴くのは問題外であった。もちろんASフィエンドのPV集購入したりとかゴスコンピで網羅的にチェックしてみたりとか色々努力はしてみた。しかし、聴いてるだけで自分まで頭悪くなりそうな音世界には目の前がクラクラして無駄な努力は辞めたのだ。

にも関わらず、先日いきなりデス・カルトに手を出したのはレコファンでデスカルトの唯一の音源「GhostDance」が中古で安く出てたからに過ぎない。我ながらチャレンジャーである。ちなみに、この音源はリリースされた全シングル3枚をかき集めた代物だ。デス・カルトとしての活動期間中にフルアルバムが作られていないところが実に80年代のインディーズだ。まあ、ディストリビューションがベガバン(*1)だったことと、以降のザ・カルトとしての活動が普通に受容されている事実が、他の有象無象のポジパン軍団よりも購入へのハードルを低くする決定打であった。

正直言って、ザ・カルトを聴いた時「あまりに普通のハードロック」で「いい」とは思わんかったのだ。ゴスの欠片も感じられなかったし、どっちかとゆーとネイティブ・インディアンの雰囲気ものにかぶれただけのハードロックというイメージだったのだ。おまけにゴス・コンピで聴くSDカルト期の音も個人的には「なんだかなあ」という感じだったのだ。どっちに転んでもハズレしかないような気もしたが、中古で安いしい、ハズレでも仕方あるまい程度で聴いたのだ。その感想と言えば・・・。

あえて言う、ツボであると!

なんつーかSDC期のポジパン特有の音楽的輪郭の希薄さをザ・カルト期の骨組みで補強しているといったらいいのだろうか?ザ・カルトではその骨組みの方が勝ちすぎており普通にミュージシャンシップが発揮されている。そのためポストパンクの感性一発、山師的なノリがあまり感じられなかったのだ。むろん、山師的なノリだけでも駄目なのは言うまでもないが、そのあたりのバランスがデス・カルトは絶妙なポイントだったのだ。アングラ感がそこはかとなく漂うところがこのままでブレイクできなかった理由の一つだと推察する。この短期間でさえドラマーが変わったりとメンバは安定しておらず音楽的過渡期にあったことが、たまたまいい方向に作用しただけなのだと思う。問答無用の説得力があるかと言われれば勿論口篭もるしかない。しかし、そのB級っぽいアングラ感こそが好みだったりするのだ。

他人様に薦められるバンドかと言うと、真性ゴスな人にボソっと「いや~実はデス・カルトも意外とツボなのよ」と言えるくらいである。ふんとにT.REXやらジャム、スタカンを「いいぞ」と誉めるのと違って、「誉めるのもちょっと後ろめたいポジパンって・・・」と思う今日この頃である。

(*1)ベガーズ・バンケット。レコード屋を母体とする70年代末から出てきたインディペンデントレーベル。80年代初頭に会社が大きくなってからも、新人アーティスト発掘を目的とし小回りが効くように4ADやシチュエーション2等の子会社を設立する。ちなみに4ADはゴシック、耽美的色彩が強力なレーベルカラーを持っていた。リリースされるレコードデザインは23エンベロープというデザインチームが一手に担っておりレーベルとしての統一感もかなりのものであった。一時期、4ADであれば買うということをやっておりました。



スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。