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理系高3の数学力、30年前よりアップ!でも母集団は・・・
「理系高3の数学力、30年前よりアップ(*1)」という見出しを見て「お、おもしろいじゃん!」なんて思って東京理科大数学教育研究所のHPを覗いてみた。そして「理数系高校生のための数学基礎学力調査」中間報告(*2)の記述を確認したら、母集団は「2003-04年度の東京理科大学への入学者が5名以上の高校580校の中から任意に100校を選び」とある。

あれ?

なぜ理系学生に限定するのかとか「数Ⅲ」なんかを履修するような学生を対象にして数学力を分析しようとするのか・・とツッコミどころはあるのだが、そもそもこれって母集団の選定を間違っていないかい?
学力偏差値(難易度)58前後の東京理科大学へ合格できる学生をコンスタントに輩出している高校群からの任意抽出なのだ。上位に偏ったサンプル群からの抽出になっているということだ。成績がいい方向に出るのは当たり前だ。それとも、東京理科大学へ合格できる学生が理系学生の代表的母集団として妥当だと主張されるのだろうか?(*3)

おまけに、この評価は30年間コンスタントに実施されていた統計に基づくものではなく、対象としている30年前の母集団がどのようなものであったのか明確でない。つまり評価の妥当性を検証できるデータもないのだ。

このデータの意味するものは善意に解釈しても「東京理科大学に合格できる学生の数学力の水準が30年前よりも上がっている。または同等である。」という意味にすぎない。もしかしたら「東京理科大学に合格できる学生の数学力の水準は30年前の一般的な理系学生の平均よりも高い。」というだけのことかもしれない。つまり、このデータを以って、「一般的な理系学生の数学力の水準が30年前の学生よりも上がっている」と断言することはできない。

仮に「理系高3の数学力、30年前よりアップ」という解釈を100%真に受けたとしても、経済協力開発機構(OECD)の国際学習到達度調査(06年実施)の結果との乖離が説明できない。もし、有効な説明があるとしたら上位と下位の学生の数学力の格差が甚だしいということだ。まるで「ゆとり世代の学生のほうが学力が高い」という結論に誘導しかねない論調は問題である。(*4)

つまり、「最近の学生の方が学力が高い」という結論を導き出すために恣意的なデータを出したと言われてもしかたあるまい。要は、作為性を疑われる母集団の選定は「ゆとり教育が失敗であったことを認めたくない方々」の意向が強く働いているように見えるということなのだ。

(*1)
理系高3の数学力、30年前よりアップ

1月29日3時16分配信 読売新聞

 子どもの理数離れが懸念されているなか、理系高校生の数学力はおよそ30年前よりも上がっていることが、東京理科大学数学教育研究所が1万人を対象に行った学力調査で判明した。

 理科大への進学者が多い高校580校から任意に選び、調査協力を呼びかけた。2005年から3年間実施し、31都道府県からのべ146校が参加。「数学3」と「数学C」を履修している高校3年生に問題を出した。

 問題のうち約30問を国際教育到達度評価学会(IEA)が理系高校生に行った1980年度の国際数学教育調査(SIMS)と同一の問題にし、比較した。その結果、今回調査のほうが成績が上だった問題が全体の66・3%もあり、同程度が21・7%だった。80年度より成績が下回った問題は11・9%にとどまった。同研究所の澤田利夫所長は「理系の生徒の学力は長期的にみて低下していないことが証明できた」と話している。

 ただ、3年間の成績を比較すると、平均正答率は徐々に下がり、特に、図形など記述式で証明を求める問題の成績低下が著しかった。

 昨年12月に発表された経済協力開発機構(OECD)の国際学習到達度調査(06年実施)の結果では、日本の15歳の「数学的応用力」が03年の6位から10位に転落。文部科学省が来年度からの新学習指導要領で理数系の強化対策を打ち出していた。

(*2)
最新の2年分の資料は見当たらなかった。しかし、対象とされる3年間の母集団の選定基準は著しく異なることはないと判断されるので当該の資料から引用した。仮に異なることがあれば、ここ3年間のデータの信憑性も疑わざるをえない。

(*3)
大学進学率の変化により学力偏差値が30年前と現在では単純比較できない。要は学力の分布も異なるということだ。これに対し30年前の母集団と成績が同等であると推定される母集団を選定するといった補正を行っている可能性も検討した。しかし、そのような補正を行った場合、同じような学力の母集団を恣意的に選ぶことであるため学力差は出にくくなる。理系学生全般の学力比較を目的とするなら、そもそもそのような補正は不要である。

(*4)
OECDの調査は学生全般が対象で、今回の調査が一部の理系学生に対象を絞った調査であると強調するのであれば、なおさらこのデータが「数学力が30年前より上がっているものではない」と結論するのが正解だと思うのだが・・・。

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